在宅医療介護の現場で働くひとたちの想いを伝えるインタビューメディア「メディケアワークス」。今回は、天白区にある「株式会社SENSE」代表取締役の松田さんにインタビューしました。
赤ちゃんから高齢者まで、幅広い方々に向けて、医療介護福祉サービス事業を展開している松田さん。松田さんはなんと、医療介護の経験がない中で事業を立ち上げました。最初は高齢者デイサービスを始めましたが、その後、障がい児デイサービスへ進出。そのきっかけは、利用者さんのある一言でした。松田さんの根底にあるのは「困っている人を助けたいという想い」。その想いを叶えるために、事業を展開しています。
松田さんのその想いをぜひご覧ください。
介護福祉医療に特化した4つのサービスを展開。企業理念は「赤ちゃんからお年寄りまで、生活に関わるお手伝い」。
ー自己紹介をお願いします。
株式会社SENSE(センス)代表取締役の松田です。
—事業所の紹介をお願いします。
私たちは名古屋市天白区を拠点に、介護福祉医療に特化した4つのサービスを展開しています。コンセプトは、「赤ちゃんからお年寄りまで、生活に関わるお手伝い」。地域の方のお困りごとを解消できるサービスインフラの提供と、「あったらいいな」を実現する会社です。
—4つのサービスとは、どのようなものですか?
1つ目は、介護福祉医療サービス「ハース」です。保育園、児童発達支援、放課後等デイサービス、医療的ケア児・知的障がい児・発達障がい児それぞれが通える施設、訪問介護、訪問看護、生活介護・共生型通所介護、就労支援B型事業所などの運営やサービスを行っています。就労支援B型事業所は、久遠チョコレート名古屋滝ノ水店をFCで運営しています。
2つ目は、名古屋の介護福祉業界に特化した有料人材紹介「キャリアテラス」です。私たちの会社もそうですが、資格を持つ人材がいなければ成り立たない環境の中で、同じように困っている企業・事業所へ、可能な限りミスマッチのない人材を提供したいと考えています。
3つ目が、経営支援サービスです。介護福祉医療サービスを運営している知識と経験を活用し、介護福祉事業にたずさわる中小零細企業に向け、それぞれが抱える困りごとを解消するための支援を行っています。
4つ目は、デザイン制作です。地域一番店を目指すには、自分たちのサービスを知ってもらうことが重要です。そのためのツールとなる、ホームページ・パンフレット・名刺・ロゴ・キャラクターなどのデザインを、介護福祉事業に特化した形で、提供させていただいています。
利用者さんの言葉で初めて知る。「在宅生活において困っているのは、介護者や高齢者だけではないんだ…」
— 会社を立ち上げたきっかけを教えてください。
もともと、外資系のアパレル企業に13年ほど勤めていました。退職後、自分の今までのスキルを活かしながら、これからの成長産業である介護福祉サービスに取り組んでみようと考え、会社を立ち上げました。
— 会社を立ち上げた当初は、松田さんも現場に出ていたのですか?
もちろん現場に出ていました。ただ、最初は高齢者デイサービスから立ち上げましたが、なかなかうまくいかず、自分で営業をして、かつ現場にも出て送迎もしてというように、すべてやっていましたね。
— 今までで一番印象に残っている利用者さんのことを教えてください。
高齢者へのサービスに特化していた会社設立当初、利用者の中に、ある認知症のご婦人がいらっしゃいました。その方の介護を、息子さんのお嫁さんが、重症心身を患っているお子さんを育てながらされていたのですが、「障がい児の施設ってこの辺にないのかな? もし可能であれば、ハースさんやってくれないかなあ」との声をいただいたときに、「在宅生活において困っているのは、介護者や高齢者だけでないんだ…」と初めて知りました。
それをきっかけに「障がい児へのサービスは、どのようにやるんだろう」と考え、法律などを調べていったら「これはできるかも」となり、障がい児、障がい者へのサービスに着手しました。当時、障がい児の重症心身の仕事をやっていたスタッフが新たに加わったこともあり、「じゃあ、やろう」となってから、6カ月後ぐらいには、サービスを開始していましたね。
— 不安はありませんでしたか?
めちゃくちゃありましたね。最初は看護師さんの確保もたいへんで、小児経験がない方を看護師として採用しつつ、みんなで毎日正解を見つけながら仕事をするという感じでした。今でも毎日のように、そのオープニング当初のことを思い出しますね。
— オープニング当初は、どういったところが一番大変でしたか?
たとえば子どもでいえばサチュレーションが下がったとか、胃ろう、腸ろうで管が外れたとか、現場では日々、イレギュラーなことが発生します。ドクターがいない中で、そのようなときにどう対応すればいいのか、そうしたひとつひとつの選択が大変でしたね。そのへんをみんなで考えていく中で、最初はギスギスしながらやっている面もありました。ただ、今は対応の仕方も分かってきたので、そこはマニュアルも含めて、きちんとできているかなと思っています。
根底にあるのは「困っている人を助けたい」という想い。ルールや法律の中で、利用者の要望をいかに実現できるかを考える。
— サービスを提供するうえで、大切にしていることは何ですか?
医療従事者ではない私から見たとき、介護・福祉・医療業界は、自分たちの常識を作りがちだなと最初から感じていました。ですので「本当はこうしてほしい」というご家族の要望などに、「自分たちはこれしかできないから、ごめんなさい」と言うのではなく、その求められたことに対して、今のルールとか法律の中で、いかに実現できるかという視点を持って新しい取り組みを行っていく。このことをスタッフにも自分にも言い聞かせて、毎日取り組んでいます。
根底にあるのは、「困っている人を助けたい」という想いです。困っている人が手を伸ばしたとき、こちらも手を差し伸べ返し、今ある生活をいかに維持・向上できるか、快適にできるかを一緒に考えようというスタンスを大切にしています。
— 自分にとって「仕事」とは?
常に必要とされる人間でいたい、必要とされる会社でいたいとの想いを持って仕事をしています。とはいえ、必要とされなければ、私たちのサービスはただのひとりよがりになってしまいます。いろいろな法人があって、同じような業態もいっぱいある中で私たちを選んでもらうためには、相手の立場に立って、手を差し伸べられる存在でありたいなと思っています。
「トレンドに左右されないサービスの提供」を追求し、地域一番店を目指す。
— 必要とされる存在であるために、どんなことを意識していますか?
最終的に私たちが追い求めているのは、「トレンドに左右されないサービスの提供」です。そういったところでの存在感や、自分たちのあるべきポジションをしっかりと確保しながら、困っている方を助けていこうと心がけ、サービスを提供しています。
今は名古屋市天白区だけですが、今後は地域一番店を目指し、ほかの区にも必要とされるサービスを提供していきたいと思っています。それにともない、ともに働いてくださるメンバー・スタッフを募集しています。私たちのサイトに、サービス内容の紹介や、スタッフのインタビュー動画や現場の動画などがありますので、それを見ていただいて、もし興味がわきましたら、お気軽にご連絡ください。